将来性やCADとの併用は?BIMオペレーターが注目を集める理由

建築業界やさまざまな分野でBIMの導入が進んでいます。ただ、現場ではBIMを扱える人材は不足している状態です。BIMの技術を習得する利点やCADソフトとの兼ね合いなどをお伝えします。

まだまだBIMを使いこなせる人材が少ない

まず、「BIMってなに?」と思われた方は、こちらに詳しく書かれているのでご一読いただけたらと思います。

【BRINGROW公式ブログ】「BIMって何?特徴とメリットをわかりやすく解説!」】

BIMの起源は「バーチャルビルディング」をコンセプトとして1987年に開発された、グラフィソフト社のArchiCADが最初とされています。
ただ、アメリカから日本に導入されたのは、諸外国よりかなり遅い2007年。

その後2009年に建築分野を中心にBMIの機運が高まり、導入が活発化しています。
それを理由に、2009年は「日本のBMI元年」と呼ばれています。2014年に国土交通省より「官庁営繕事業におけるBIMの活用」が公表されましたが、その頃、現場で圧倒的に優勢なのはCADでした。

まだまだCADを扱える人材も少なかったため、BIMに着目し導入したのは、大手ゼネコンなど一部の企業だけだったのです。

そして2020年になり、CADを使いこなせる人材が増えましたが、まだまだBIMを使いこなせる人材は少ないというのが現状です。

とある大手ゼネコンの現場でも、「BIMを使用できる人は、各現場に一人しかいない」とのこと。このことからもBIMを扱える人材は、とても貴重だということがわかります。

BIMソフトが使えればCADソフトの知識は必要ない?

では、BIMソフトが使用できればCADソフトは使えなくてもいいのでしょうか?
数多くのセミナー講師を務め、業界での実務経験も豊富な、BRINGROW代表の富田に話を聞いてみました。

CADには専用CADと汎用CADというカテゴリがあります。
専用CADとは、住宅設備専用や、ハウスメーカー専用などが該当し、その分野に特化したコマンドやオブジェクトなどが機能として用意されています。

汎用CADとは、広くいろいろな分野で使用できるような汎用的なコマンドが用意されています。代表的なソフトがAutoCADです。
いろいろな分野で使われているのでユーザー数も多く、カスタマイズ性も高く、専用CADのようにアドオンやスクリプトを使用することで、使い勝手の良い仕様に変更することもできます。

ソフトは、CAD、BIM、専用、汎用問わず道具なので、使い方を理解してしまえばだれにでも操作することは可能と言えます。
が、ここで問題なのがBIMソフトはこれまでのCADソフトと大きく概念が異なり、ただ線が描ければいい、円が描ければいいというソフトではなく、実際の建物と同じような構造物をパソコンの3次元空間にモデリングをしていくという作業です。

BIMオペレーターに求められることを簡単にまとめると、
・業界経験者
・2次元の図面も読み取れる知識
・頭の中で3次元の空間がイメージできる想像力
・BIM操作に長け、設計者の言葉をくみ取って形に起こせる
これらが必要となります。

BIMができる人の需要が上がってきているのは、国土交通省からBIMを活用しましょうという、指針が出ていることが理由のひとつとして考えられます。
大手ゼネコンもこぞってBIMを導入し活用する方向性を探っている状態で、上記にあげたような人物がまだまだ少ないというところが現状です。
BIMにはとても将来性があるソフトですが、「操作できる人が少ない」、「まだBIMを活用するイメージがつかない」「現場での活用が進んでいない」などの問題があるのも事実です。
そのため、会社としても個人請負としても当面は「CADとBIMを併用する」という方向が現実的なところなのかなと感じております。

「BIMが使えたらCADは使えなくていい」「CADが使えないとBIMが使えない?」というのは「CADの進化版ではあるけれど、完全にBIMにコンバートしているわけではないためCADとBIMが扱える人材」というところが落としどころのような気がします。

BIMオペレーターとして活躍するには?年収は?

気になるBIMオペレーターの給料は、勤務地による違いもありますが、時給換算すると1,700円~2,000円あたりが一般的な相場です。
CADオペレーターよりやや高めの設定となっていることがわかります。

BIMオペレーターとして活躍するには、前章でお伝えしたように「経験」や「知識」が必要です。「実力があれば年収もあがる」。そこはCADオペレーターと変わりません。

ですが先も述べたように、まだBIMを使用できる人材は少ないため、BIMの知識を習得し、スキルアップするチャンスは「今」なのではないでしょうか。

BRINGROWではBIMソフトのスキルアップ講座を随時開催しています。
興味はあるけど難しそう…、どんなソフトか一度使ってみたい、という方も、ぜひお気軽にご参加ください。

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