【CADを無料で入手!】すぐに使える2次元、3次元CAD をご紹介

 巷には多くのCADソフトがありますが、今回はそのなかでも【無料で】使うことのできるCADソフトに絞ってご紹介したいと思います。パソコンがあればインストールするだけですぐに使えるソフトばかりですので、CADを気軽にお試ししたい方などへぜひ参考になれば幸いです。

無料2次元CADソフト

 2次元 CADソフトとは、文字通り2次元の図面を描くためのCADソフトを指します。 CADが登場する以前の設計図は手書きで描かれていました。ドラフターという製図台、鉛筆と定規を使って紙に書いていたものをコンピュータ化したのが2D CAD、2次元CADの原型です 。

1.Jw_cad

 「無料のCADソフト」と聞いて多くの人が最初に思い浮かべるソフトがこのJw_cadではないでしょうか。無料CADでありながら、日本国内においてAutoCADと人気を二分する存在といっても過言ではなく、インターネットさえあれば誰でも無料でダウンロードでき、商用利用も可能です。

 現役建築士やユーザーの意見を開発に取り入れたため、直感的な操作が可能という点でJw_cadは多くのユーザーに愛されています。時計の形をした「クロックメニュー」という機能が特徴的で、マウスの動きで時間の針を指し示すことにより、各種コマンド操作を実行することができるため、操作を習得すれば非常に効率的な作図が可能になります。

 他の有料ソフトのような公式なサポート体制などは用意されていませんが、Jw_cad のwebサイトには「情報交換室」や「相談室」があり、ユーザー同士でのやりとりや情報交換が可能です。

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2.Root Pro CAD Free

 株式会社ルートプロが提供している2次元汎用CADソフトで、無償のFree版と有償のProfessional 版の2つがあります。Free版は一部機能が制限されていますが、基本的な作図・印刷機能は搭載されています。OSはWindowsのみ対応です。

3.DraftSight ※無償版は2019年12月末をもって終了

 DraftSightは建築・土木・機械設計と幅広い分野で活躍する2次元CADで、「AutoCADと操作感が似ている」と言われることの多いソフトです。2011年の登場以来、無料で提供されていましたが、2019年12月31日をもって無償版が使用できなくなります。現在リリースされているDraftSight2019には無償版はありません。今後は有償版のみの提供となりますが、1年単位のサブスクリプション契約となり、プラン内容により10,900円~/年(税別)と比較的安価に購入が可能です。

無料3次元CADソフト

  コンピュータやCADソフトの進化によって登場したのが3次元、3D CADです。2次元の縦と横に奥行が加わり、物体をまるで立体的に見ているかのような見方ができます。機械CADの分野で普及が始まりましたが、現在ではどの業界でも3次元CADの導入が進んでいます。

1.FreeCAD

 主に機械設計や製品デザイン向けとして提供されている3D汎用CADですが、名前の通り無償で使用可能なソフトです。CADソフトのほとんどは各社が開発したものが販売・提供されていますが、FreeCADはオープンソースといってソフトのコードが公開されており、世界中の有志によってプログラミングされたものがFreeCADとして現在の形になっているソフトです。

 無料ソフトですが商用利用も可能で、各ソフトへの書きだしや読み込みも可能、幅広い機能を備えている上にカスタマイズも可能、と良いところづくしのソフトです。

2.Fusion 360

 AUTODESK社が販売している3次元CADソフトです。商用利用の場合は有料となりますが、個人利用や年間の売り上げが一定以下(スタートアップ企業)の場合には、30日間の無料体験期間を超えた後も無料で使用することができます。

 特徴としてクラウド上で利用するため、作成したデータも当然クラウドに保存されます。そのためデータを作成したパソコンでなくてもURLが共有されれば簡単にデータにアクセスすることができるため、作業の場所を選びません。複数人でのデータ共有も容易です。設計だけでなく、CAM機能も搭載されており、製品の製造を行うための加工用データの出力なども可能です。

3.SketchUp(個人利用の場合)

 現在はアメリカのTrimble社が提供している3DCGソフトですが、以前はGoogleが所有し、Google SketchUpと呼ばれインターネット上から無償でダウンロード可能なことから広く普及しました。現在商用利用は有料となっていますが、個人利用であれば無料で使用することができます。

 SketchUpの一番の特徴は、なんといっても「プッシュ&プル」機能です。たとえば直方体を作る際、平面に四角(長方形)を描き、その平面をクリックして引っ張る(プル)だけで簡単に平面から直方体が立ち上がります。また窓を作る際も、直方体の壁の一面に円を描き、その部分をクリックして押し出す(プッシュ)だけで窓をくり抜くことができ、とても直感的な操作が可能です。

有料ソフトだが無料体験版あり

 ここまで無料のソフトに絞ってご紹介しましたが、有料のソフトでも無料体験版が用意されているものがあります。無料で使用できる期間は限られますが、よく耳にする代表的なCADソフトを使ってみたいという方は参考にしてください。

1.AutoCAD

 世界中でトップシェアを誇るCADソフトで、日本国内においても業種問わず広く活躍しています。他のソフトとの互換性も高いのが特徴です。無料体験は30日間の利用が可能です。

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2.Vectorworks

 建築のなかでもインテリアや内装業界で多く使われているソフトです。2Dの平面図から完成イメージの3Dパースを作成することも可能です。評価版という無料体験が用意されており、期間は30日間です。

3.ArchiCAD

 昨今の建設業界で外すことのできない「BIM」に対応しているソフトです。BIMとは「Building(建物を) Information(情報で) Modeling(形成する)」の略で、設計だけでなく施工や管理に関するデータも全て情報を一元化して活用する建築手法のことを指します。データの保存はできませんがインストール後すぐに使えるデモ版と、ユーザー登録すれば保存しながら30日間使用できる体験版が用意されています。

4.Revit

 AutoCADと同じAUTODESK社が開発・提供しているBIMソフトです。ArchiCADよりもよりBIMの概念が強く反映されており、構造・設備の分野に強みがあります。対応OSはWindowsのみ、無償体験版は30日間利用可能です。